あなただけ今晩は/健気な男に恋をする
監督:ビリーワイルダー
<あらすじ>
パリ、中央市場(レ・アル)。活気に満ちたその市場の裏通りは女たちが笑顔を振りまき、別の意味で活気に満ちていた。そこに立つ一人の娼婦、イルマと赴任してきた新米巡査が恋に落ちる。ドタバタロマンスコメディ。
胸キュン度★★★★☆
ウィット度★★★☆☆
<感想>
ひたすら不器用な男が娼婦に恋をしてしまった。イルマのひも野郎にけんかで勝ちイルマを手に入れたものの、イルマを目当てに男が来るわ来るわ。くうう、嫉妬で気が気でならーーん!
とまぁこんな感じなのですが、これ以上言うとネタバレなので、以下略。
いやぁ良い映画。
設定自体は『アパートの鍵貸します』よりは大衆向けでもうちょいドタバタ感が増している。いつもながら、男のプライドと純情の可愛さの描写にかけては天下一品だし、健気で素晴らしい。ほんと応援したくなる。ジャックレモンの演技も良いんよなぁ。
見ててニヤニヤしてしまう。
ところで、良い映画の定義というものが私の中でいくつかあるのだけれど、その中の一つに「見終わった後、気持ちよく、すっきりする映画」というものがある。風が吹いたみたいに心がさわやかになるというか。
そしてビリーワイルダー監督の作品はそうなるものが多い。
どんなに下世話な設定でも下品にならない。悪いやつが出てきても、後味悪くならない。そういうとこが好きなんよなぁ。
この『あなただけ今晩は』もドミノのように話が繋がっていく、上品でウィットが効いた作品です。
興味のあるかたは、ぜひ見てみてください。
<好きなシーン>
イルマとの初夜、新聞をカーテン代わりに、部屋の明かりにYシャツをかけ、暗くする。