見物人の頭のなか

映画と美術展などの感想。

あなただけ今晩は/健気な男に恋をする

 

 

あなただけ今晩は [DVD]

あなただけ今晩は [DVD]

 

 

主演:ジャック・レモン、シャルル・マクレー

監督:ビリーワイルダー

 

 

<あらすじ>

パリ、中央市場(レ・アル)。活気に満ちたその市場の裏通りは女たちが笑顔を振りまき、別の意味で活気に満ちていた。そこに立つ一人の娼婦、イルマと赴任してきた新米巡査が恋に落ちる。ドタバタロマンスコメディ。

 

胸キュン度★★★★☆

ウィット度★★★☆☆

 

<感想>

 ひたすら不器用な男が娼婦に恋をしてしまった。イルマのひも野郎にけんかで勝ちイルマを手に入れたものの、イルマを目当てに男が来るわ来るわ。くうう、嫉妬で気が気でならーーん!

とまぁこんな感じなのですが、これ以上言うとネタバレなので、以下略。

いやぁ良い映画。

設定自体は『アパートの鍵貸します』よりは大衆向けでもうちょいドタバタ感が増している。いつもながら、男のプライドと純情の可愛さの描写にかけては天下一品だし、健気で素晴らしい。ほんと応援したくなる。ジャックレモンの演技も良いんよなぁ。

見ててニヤニヤしてしまう。

 

ところで、良い映画の定義というものが私の中でいくつかあるのだけれど、その中の一つに「見終わった後、気持ちよく、すっきりする映画」というものがある。風が吹いたみたいに心がさわやかになるというか。

そしてビリーワイルダー監督の作品はそうなるものが多い。

 どんなに下世話な設定でも下品にならない。悪いやつが出てきても、後味悪くならない。そういうとこが好きなんよなぁ。

この『あなただけ今晩は』もドミノのように話が繋がっていく、上品でウィットが効いた作品です。

 

興味のあるかたは、ぜひ見てみてください。

 

<好きなシーン>

イルマとの初夜、新聞をカーテン代わりに、部屋の明かりにYシャツをかけ、暗くする。