見物人の頭のなか

映画と美術展などの感想。

ナイト・クローラー/サイコパスが報道パパラッチになったら


映画『ナイトクローラー』予告編 - YouTube

 

出演:ジェイク・ギレンホールレネ・ルッソ

監督:ダン・ギルロイ

 

(あらすじ)

コソ泥をしてその日暮らしの金を得ていたルー(ジェイク・ギレンホール)。そろそろ定職を得たいと思っていた矢先、偶然交通事故の現場を目撃し、報道パパラッチという仕事を知る。それは、過激でストーリー性のある映像が望まれる世界だった。他人を歯牙にもかけない男が報道パパラッチになったとき、世界は歪み、狂気で満たされることとなる——。

 

おすすめ度:☆☆☆

評価:2.5/5.0

 

 

 

<感想>

*ネタバレ有

だいぶ前にあらすじだけ書いて感想書かずに放置してました…。あやふやな記憶を辿りつつ、書きます。

 

話自体は残酷で、汚い。視聴率を得るために、大衆迎合的な構図に沿ったニュースを流したがる番組ディレクター。汚い手を使って撮った過激な映像をテレビ局に売る主人公。人の死に群がる報道パパラッチというハイエナ連中。登場人物たちは金や地位を得るのに必死で、自己愛に溢れている。汚いなあ、人間。描写もえげついし。見放されたような、諦観されているような感じで撮られている。

 

特に助手君の最後。あれ全然かわいそうって思えないんよなぁ。たぶんそれは助手君が結構金にがめつくて、あまり可愛くない性格であることを知ってしまっているから。つまり、画面のフレームに収まらない裏側を知っているから。でも、あれを見て視聴者たちは泣くんよね、可哀そうだなって。意図的に作られた物語を読んで。

 

自分が普段ニュースを見るとき、このニュースを伝えているメディアの裏にもビジネスが存在していることを疑うだろうか?それぞれの思惑があることを考えるだろうか? 流れてくる情報をそのままに受け取っているのではないか。そんなことを考えさせられる映画だった。これが全米興行収入1位っていうのもなんだかなあ。