見物人の頭のなか

映画と美術展などの感想。

水の歴史を読んで

 

水の歴史 (「食」の図書館)

水の歴史 (「食」の図書館)

 

<学んだこと>

・海水を飲料水を変えるのは技術的に大変だった。

海水を飲料水に変える方法

海にコップを浮かべるだけでよい。海水の温度が露点より低ければ、コップの中に水分が結露する。

産業革命時代のロンドンはテムズ川が大変汚れていたという。それは、下水の整備が甘かったという理由のほかに、その時代の動力源にも原因があった。当時の産業技術の発展は水力や蒸気を利用していた。そのため、工場は水源に近い土地が選ばれ、毎日のように産業廃棄物が川へと排出されていたのだ。工場付近の水は汚染され、ゴミがたまって流れが滞った。さらに、工場を中心として人口が急増したことで、大量の排泄物も川に流されるようになった。そうして瞬く間に汚染されていったのである。

・新鮮な水の運搬方法について

大航海時代、船乗りたちはどうやって飲み水を入手し、新鮮に保っていたのか?

⇒18世紀、ミネラルウォーターを瓶に詰めて売るものが表れ始める。飲料水ビジネスの誕生。

トニックウォーターは、キナの樹皮の成分であるキニーネとレモンを加えたもので、化学者が考案した。キニーネは、抗マラリア薬として効果があったのだ。ジントニックはインド発祥。ジンがトニックの苦みを和らげると考えられていた。なぜ、インド発祥かというと、南アジアやアフリカの熱帯地方ではマラリアが風土病だったからだ。

 

<感想>

結構前に読んだので、ちょっと忘れてしまったのだが、水と人間とのかかわりを概観した良書だった。主に飲料水としての水に注目している。安全な水がどこでも手に入るようになったのは最近で、それまでは困難の連続だった。特に産業革命以降に水が商品化された背景を知れたのはよかった。軽く読めるのでお勧めです。

(本の感想は読み終わってすぐ書いた方がいいな…)